2・24『極寒』

 外の気温も極寒だった昨夜。
 はたして、数年ぶりに足を踏み入れることになったベイシティーズストリート。それはもう、ギミーズ以来だからずいぶんと前になる。

 はじめにいったいどれだけの期待をしていただろう。
 そこで、CRUDEに、MUSTANGに、BLOWBACKに、轟音と共に吐き出される気迫に、身体の細胞のすべてが、ひとつ残らずジャックされるとは思いもしなかった。

 墨を入れた多数の腕が目の前に交差し、ビールの入ったコップが天井までぶちまけられはしたが、だが、それでも、過去に函館で体験したなかでは、もっともピースな空間がそこにはあった。まあ、そうだね・・・ほんとうに居心地が良かったんだ。

 極寒MUSTBACKツアーファイナル、カウンターに並べられた酒はすべて無料で飲み放題。
 「そうか、今夜はファイナルのお祝いなんだ!」
 と、よくはわからなかったが、ひたすらビール缶に手を伸ばした。

 すべての音が鳴りやんで、みんなの声が遠くに聞こえる。

 空腹に詰め込んだビールが胃に重たく感じたが、食事は必要だ。なにか食べるものを求めて、そしてまた、極寒の外へ・・・

 外に出ると、「打ち上げいかないっスか?」 と、いきなりの声。
 「あ〜、ハラ減ってて飯食おうとしてたから、一緒に行っていいですか?」

 ライブハウスからやや近いところにある居酒屋に一番乗りで、すこし時間を持て余す。
 オバサンが、「も〜、人数わかんないと困るからハッキリしてよね」と、いきなり怒り気味だ(・・・わかんねーよ)。

 やがて一行が到着。

 「ハコダテシティー・ハードコア、やっと見れましたよ」
 「音楽は、ジャンルじゃないですよね」
 「おれはこれを、ここに来ないような人たちに見せたいって、きょう、直感的に思ったんです」
 「いろんなお客さんが混ざるようなときがあってもいいと思うんですよ」
 「『大山パンサウンド』でやってます。名前はふざけてますが」
 「こだわってやってきたのはわかります。・・・えっ、18年も? だけど、本当に納得してもらったうえで、タイミングが合って、こっちに絡んでもらえることがあったら、そのときはよろしくお願いします」
 「次も絶対きます。おれのイベントにもきてください。また飲みましょう」
 打ち上げに誘ってくれたCRUDE/MUSTANGの弁慶さんと、ガッチリ握手して番号交換。

 そしてまた極寒の地へ。あー、気が遠くなる。

 おれは、函館の音楽を仕切りなおすとか再編成するとか、そんなつまらないこと言いたくないですよ。
 昨夜受けとった気持ちを、ただ、そのまま返したかっただけ。きっと、そんなシンプルなところでしか物事は動かない。
 意地を持ってる人間がいる。そんなことがわかったときに唯一嬉しいんです。

 まだなんとか、ラッキーなことに、心の中の大事なものは失っていないようです。

 来月もまたベイシティーに行くことになりそうだ。

(2008年2月25日の日記より)



『Chimu Don Don』告知A 〜大山パンsoundとはワールド・ミュージック・レーベルである〜

 大山パンサウンドとはワールド・ミュージック・レーベルである。

 今回の孫さんは、あえてベースの弾き語りという特殊なスタイルから離れて、ギターを用いてのセット。そこに「音の厚みを加えたい」との要望で、サックスの大矢内さん、コントラバスのDEKUさんという、気の知れたミュージシャンズ・ミュージシャンたちが後方支援。

 そこに立ち上るのは果たして、音楽家たちの亡霊蠢く深い呪詛の響きか、あるいは音楽の未来を照らす光か・・・。
 つまりは、音楽の歴史を切断する、あるいはその線上に存在しない何か。
 ここは函館ではないし、今は平成20年じゃない。そこにあるのは、サウンド・フロム・アナザー・ワールド。

 オオヤマパンサウンドとはつまり、そのような音を照射する、ワールド・ミュージック・レーベルであり、2008年に、ワールド・ミュージックの再定義を試みる所存であります!

(2008年2月23日の日記より)



『極寒』に行きます

 以前から噂は耳にしていた、ハコダテシティー・ハードコア。自分にとって函館に残された最後の扉。
 そのチケットが、なぜかエドワーズのドアのところに挟まっているではないですか! 孫さんが行けなくなったという旨の、奥さんからの手紙付きで。さすが孫さん、おれが何に行こうとしてるのかを動物的な勘でわかってる!
 そんなわけで、すみません、タダ券で行かせてもらいます・・・。

 ハードな状況を打ち破ることのできる、音楽のコア(核)を捉えているような、そんな音楽を聴き、関わってきたつもり。
 そんな自分に、函館の誇るハードコア・ポッセの音は、どのように響いてくるだろうか?

(2008年2月22日の日記より)



タイトルの重要性

 以前、あるおばさん(誰だったかは忘れた)に

  イベントとかのタイトルはインパクトがないといかん
  たとえば、「アホか!」とかそういうのにしないとダメ

 と言われたことがあります。

 パン音楽イベント・オーガニゼイション「大山パンサウンド」としては、その言葉は今でも心のメモ帳にしっかりと記されているのでした。

 やっぱ毎日スーパーで野菜買ってる主婦の意見は取り入れていかないとね、ホントに。

(2008年2月16日の日記より)



『Chimu Don Don』告知@ 〜大山パンsoundとはプロレス団体である〜

 大山パンサウンドとはプロレス団体である。

 プロレスを特徴づける要素としては例えば、ときには男女混合、あらゆるキャラクターの入り乱れる「タッグマッチ」(あるいは「6人タッグ」)、それに「乱入」というのがある。およそ他の競技などでは考えられない、言うなれば「ブッ飛んだ」発想だろう。

 ここでの「タッグマッチ」とは、すなわち「セッション」。
 非プレイヤー側の無責任さなのか、ふた言目には、「う〜ん・・・・じゃあセッションで」という言葉が口から出てしまう。あとは、神のイタズラという名の化学反応が起こるのみだ。

 そして「乱入」というのは、「シークレット・ゲスト」。
 出演者は全員発表したほうが人数集めれそうっていうのは、ある意味で貧困な考えだと思います。来てくれた人たちのためだけに、ちょっとしたサプライズはあっていいんじゃないですかね。

 で、今回。
 孫さんバンドに一人追加で、豪華「6人タッグ」になりました。
 孫さんが「新曲をやる」と言うときには何かが起こる。ロックンロール50年の歴史や人類の奏でる音楽の進化の過程から切り離された、突然変異としか言いようのない、「格」や「序列」を破壊する「凶器攻撃」。そして、体面を取り繕ってばかりの賢いだけの音楽は憐れ・・・・「流血」。

 巻き込まれたレフェリーが失神しているあいだ、花道の奥から何者かが「乱入」!!
 そう、1・3のマギーなつ子に続いて、今回もシークレットありです。
 それもこれも、まあ、プロレス団体としては基本ですよ。

 今回は初の「武道館大会」ということで団体のエースである堀内加奈子をはじめとした一同、気合入ってます。
 ファンの皆様の応援があってこそ、今後「まだ見ぬ強豪」を招聘することも可能となり、また「陰の実力者」たちにスポットをあてる機会も出てきます。

 極上の幻想を纏った「プロレス」を観にきてください!

(2008年2月7日の日記より)




特に記名のない文章は、大山紘生によるもの。
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